「よにのちゃんねる」に手を出した。
もちろん二宮がYouTubeを始めた頃にも見ようとはした。しかし、二宮がメンバーを勧誘するのに、「あなたとYouTubeのチャンネルをやりたいです」とはっきり言わずに「おめでとうございます!」と言い続けて相手がうろたえるのを楽しむというくだりが全く合わず、脱落した。
その後も思い出して見てみたが、二宮がメンバーにプレゼントを用意しているくせに焦らして楽しむ様子が面倒くさくて離脱した。
嵐が歌って踊っていた時代、圧倒的な光を前に茶の間の目は曇り、多少の難点も見えなくなって「めんどくてもニノ」と思えた。しかし目が覚めてみると、単に面倒くさいだけである。
そこをなんとか飲み込んで、山田くんの輝きによって免疫を高め、ようやく動画を楽しめるようになった。
動画にここまでの労力をかけているとは思わなかった。こんなに先輩と後輩を引き立てようとしているとは、こんなに事務所を愛しているとは知らなかった。二宮がこんなにも人が好きで、仕事が大好きだとわかっていなかった。
クリエイティブな意欲は尽きず、手に入れた知名度と権力を全部使って、全力で遊んでいる。生きている限り輝き尽くそう、できることを全部しようとしているように見える。こういう生き方があるんだ。
かつては嵐のメンバーが仕事を辞めてしまわないことが不思議だったが、今となってはこれだけの環境を捨てた大野の方がよほど特異な存在に思える。そこがまた好きで困る。
楽しそうな4人を見ていると、つい嵐を見たくなる。先輩後輩の序列にもとづく世界も安定していて好きだが、個性の強いメンバーが対等な関係で集まっているだけに危なっかしいような安定しているような、皆が面白さを競い合っているような、平穏に収めようと必死なような、嵐ってヒリヒリ・ハラハラするところもあった。