旅人櫻井、私の好物

鶴瓶の家族に乾杯」を見た。櫻井が鶴瓶さんと長野県安曇野市をアポなしで訪ねる番組である。

  • 同年代のママサークルに囲まれ、結婚はともかく子どもはほしいという櫻井。反対に「子どもはいらないが、結婚したい」と言うとなぜかものすごく印象が悪いが、これなら問題ないし、ファンもなんとなく安心するし、結婚しても「まあ、子どもほしかったんだしね」とソフトに着陸できる。策士め。
  • 24時間テレビのダーツの旅のようにズカズカ行くでもなく、「明日に架ける旅」ほどの緊張感もない。空元気でもなく、やる気がないわけでもなく、徹底的に「普通」な感じ。誰にでも下手に出て、とかくベタついた関係を作ろうとしてしまう自分には、櫻井のこういう感じが羨ましく、好きである。
  • なんと下見のスタッフと間違えられる櫻井。番組と鶴瓶さんの知名度の高さに比べて、「知らない」と言われることが多い。「大ファンなんです」と言われることもあるのに、どちらでもとくに反応せずに受け流す櫻井。
  • 「俳優さん?」と聞かれて、「なんと言ったらいいのか」と言いよどむ。さすがに自分で「アイドル」とは言い難いらしく、微笑ましい。
  • 「ご主人は」と聞くと、「ふつうはご主人がいるのが、また……。お嫁さんがいて、ご主人がいて、お子さんがいてって思うよね」と返す浅川さん。こういう答え方っていいな。
  • 「初チェーンソー、初薪割り」と楽しそうな櫻井。え、「明日に架ける旅」でも伐採してただろ。
  • 私はほぼ情報を取りこぼしているので、こうして気づくことは少ない。でも本気で追いかけているファンは、こうして「え、初めてじゃないよね」「それ相葉も知ってるはず」「その話聞くの300回目」となることがたびたびあるのだろう。
  • 櫻井は都会でしか生きられないようにも見えるけど、老後は田舎で自給自足していそうでもある。今回も「○○でもなく、○○でもなく、△△」という櫻井をたくさん見られた。まだまだイメージを掘り甲斐のある大臣。

街に出ていろいろ経験する櫻井や、思いがけない発言に妙に反応する櫻井を見るのは楽しい。2014年、私は決意した。櫻井には、ぜひこういう番組をもってほしい。内なる決意をテレビにぶつけたい。行動は伴わない。
そして、櫻井が安らげる場所を増やすために、絶対に見つけても声をかけない。無視する。転んでたら助けてあげるけど、冷たく立ち去る。立派な通行人Aを演じてみせる。