ぬるい茶の間の底から

水原希子さんがゲストのしやがれを見た。

  • 前回、希子さんを見たのは2011年7月放送の「ひみつの嵐ちゃん」。当時彼女は20歳だった。あれから3年、気が強そうなところは残しながらも、中身は丸くなり、見た目はよりいっそうお人形度に磨きをかけているように見えた。
  • 松本のMC、「自分自分」な設定が一環していて面白い。見やすい。最近の松本には「芸をもった芸能人だな」と思わされることが多い。
  • 字幕放送を見るようになって気づいたこと、その1:二宮はしょっちゅう「なるほどね!」と言っている。
  • その2:相葉は想像以上にしゃべらない。
  • その3:大野の字幕の第一声は、大体ことばではなく。今回なら、松本が「ミッドナイト・サムギョプサル」とやりきった後、ようやく「大野」が字幕に登場したと思ったら、「あっはっはっはっは」という笑いだった。
  • 櫻井のイメージは「しっかりしている」という希子さん。その通りなのだが、(またか)という雰囲気も流れる茶の間。あらゆる番組で櫻井はしっかりきっちりしっかりきっちりと言われるが、櫻井自身は「俺はこんなにインテリだけど弾けることもできるんですよ」という演出をしたがっていそうなので、そういう一面も注目されればいいのになと思ってしまう。と、そこで松本が櫻井に

「しっかりしていると言われることについてどう思いますか?」

と尋ねた。すごい。あまりにも茶の間の願いを的確に汲んでくれているので、視聴者参加型番組なのかと錯覚してしまった。

  • すぐドラマティックになる人が苦手な希子さん。それに「素朴な方がいい」と同意する松本。すると櫻井が、派手な服装の松本に対して「あなた、そのなりで言いますか」と突っ込む。「そのなりで」って、これまでにも言いたいことが何万回もあったに違いない。用例:「そのなりでダンスレッスンに来るか」「よくそのなりで外に出られるな」。

ファッションに傾いてみたり、食べ物に傾いてみたり、「あれ、嵐ちゃんだっけ」と思う瞬間があった。嵐が自由に語ってくれる場所が少なくなった今、この番組に対する視線がとても温くなっている。「温かく」(あたたかく)ではなく「温く」(ぬるく)。大爆笑でも大満足でもないが、まあいいんじゃないかという温度である。しばらくは温室で眺めていくことにする。