人生ゲームを君と

この数年、親しくもない人に給料を聞かれることが増えた。聞いてきたのは全員男性である。女性は節度があるからか、あるいは衣類などから読み取ろうとするせいか、こういうことを言わない。しかし男性は簡単に聞いてくる。どのように返すのがよいのか、いつも考えていた。
すると、なんと「ニノさん」で、二宮監督も「給料いくら?」「貯金いくら?」と聞かれるのが嫌だと語っているではないか。しかも最近、新しい答え方を編み出したらしい。いわく、ゲームにしてしまう。

「え、いいよ、言っても」
「だって人に言わないでしょ? 言わないでしょ?」
「他の人に言わないでよ?」
「7億円くらいかな」
(イメージより高いかなー安いかなー少なく言いすぎたかなーと反応を見て楽しむ)



暗いゲームだ。

こうやってゲーム化しないと耐えられないほど金回りについて聞かれ続けてきた監督がかわいそうになる。しかし監督もこうやって自分なりの乗り越え方を編み出そうと試行錯誤しているのかと思うと、共感できることが嬉しくなる。
なにが起きてもゲームだと思って乗り切ろう。それは中二病そのもののようだが、なんでも得意分野に持ち込む人生の攻略法だ。嫌なことを全てゲーム化していくうちに、どこかで監督と私のゲームが重なりますように。