櫻井と大野が出ている嵐ちゃんを少しだけ見た。実は、シェアハウスのコーナーの半ば、わが家にも来客があった。
ピンポーン
(えーっ)
「karakirikirimaiちゃん、急にごめん」
そこには、数年ぶりに会ういとこが立っていた。
いとこなら、まあいいかなと思ったのと、人といっしょに嵐ちゃんを見るという挑戦を楽しんでみたくなったので、あえてテレビをつけたまま通した。
「あれ、嵐だ。嵐好きなの?」
「いえ。別に。ちょっとテレビでも見ようかと思って」
不自然に敬語が出て、さらに録画じゃないふりを装う。その後、私はいっさい画面を見ることができなかった。見た瞬間(♡∨♡)と顔が崩壊するのがわかりきっていたからだ。いとこが来るまで、私は実際にこんな顔をしていた。
- 嵐ちゃん久しぶりに見る
- これが噂の、先輩の番組をパクったシェアハウスか
- このパクりが通用するなら、そのうち5人で料理とかしてくれるのかな
- 考えてみると、すま×すまって、あの5人が毎週レギュラーで出てくれる超豪華な奇跡の番組なんだな
- 嵐5人がこんなかわいらしい家に住んでいるはずがない
- もっと汚くてクリームパンの袋とかそのへんに落ちてる
- 松本の生活スペースだけきれいなんだろうな
- 松本・櫻井の家の中おしゃれにし隊と、二宮の悪気はないけどとことん二流のセンスがぶつかりあって、インテリアはカオスになるんだろうな
- 櫻井かっこいい
- 翔君かっこいい
- 大野かっこいい
- 大野って本当はこんな人だったんだっけ
- いつのまにか榎本みたいな人だと思いこんでた
- それだけ演技うまいってことだ
- よっ演技派
- 冷蔵庫をのぞく大野の後頭部
- 見切れる櫻井の横顔
- バラエティって歌や演技では見られない無意味な角度から彼らを眺められるのが醍醐味の一つ
- 二人ともありえないくらいかっこいい
- どうしよう
- 櫻井の「言うても」は関東圏の人がつかってはいけないな
- でも二宮だと許しちゃう
- このー
- 優香さんの「私がお客さんなんだけど」はあらゆるバラエティにおける嵐に言うべき重要な突っ込みだ
- 減りすぎてるオレンジジュースから会話に困ってる様子が読み取れる
- 気まずい雰囲気のなかで仕切ろうとしてくれる優香さんを見てると、あれこの番組グータンだったかなと錯覚する
- 優香さんと櫻井の家の間取りが同じことに「いっしょに住んでるんじゃねえの?」と突っ込む大野。こういう冗談を言うときに片方だけ口角を上げて、わざと少しひきつらせた楽しそうな顔が大好き
- 優香さんは本の宣伝のために来たらしい。嵐を見るようになってから、芸能人は売りたい本やチケットがあるとき、宣伝のためにバラエティに出るということを知った。嵐自身も宣伝のためにバラエティに出るけど、こうやって他人に宣伝の場をつくる立場でもある。彼ら自身を宣伝するための冠番組はもう必要なくて、いまや他人のためにある。宣伝したい人が嵐の番組に集まってくる。嵐の番組で宣伝すると売れると思う人がいる。芸能界のさまざまな活動場所のなかで、テレビがトップにあるとしたら、さらにそのトップに君臨するのは「人に宣伝させてあげられる人」「宣伝のための番組をつくれる人」だろう。嵐は確実にそのトップになったんだね。
- 仕事してないのに許せるほど二人はかっこいい
- ジャムームばんざい
- この文化、どんなに他人にばかにされようとも、尊い
- あー底なしにかっこいいったらかっこいいったらかっこ
そこまで盛り上がったところで無情にもベルが鳴ったのだ。
いとこには、あまり優しくできなかった。またそのうち見る。