鍵の第5話:歪んだ茶の間の愛

鍵のかかった部屋第5話を見た。このドラマ、面白い。もう完全に「大野が出ているから見るドラマ」を脱した。

  • 戸田さんが事件現場に大野を連れてきてくれたと勘違いした佐藤さんの嬉しそうな顔。そして、ためにためて登場するヒーローのような大野。後光まで差したその顔が映った瞬間、全国の茶の間はリンゴンと鐘を打ち鳴らし、ドンドコドンドコ太鼓を叩いたことだろう。もちろんわが家でも打楽器を総動員して盛り上がった。
  • 刑事と佐藤さんにやたら触られ、取り合いされる大野。そんな愛され大野はヒロインのよう。
  • と、これらの大野のヒーロー&ヒロイン描写において、一般の視聴者が「きも」「こういうの喜ぶの? 大野ファンは」と引いていないか心配になる。されてもいない批判を勝手に内面化して、自分を痛めつけて喜ぶ。それが私のヲタ道だ。
  • 戸田さんの白さで大野の黒さが際だつ。
  • 容疑者の婚約者が隠していた話を聞いてしまい、ひとり考え込む戸田さん。その様子に気づいて「どうしたんだ?」と声をかけてくれる佐藤さん。「すみません、なんでもありません」と取りつくろう戸田さんに「なんだよ」とさらに踏み込む佐藤さん。1. 落ち込みに気づいてくれる。2. 強がりをわかってくれる。1ができるだけでもすごいのに、さらに2までできる人って少ない。こんな上司がいたら惚れる。こんな人になりたい。
  • このドラマ、全体としてマンガのような記号らしさを感じる。それは大野のキャラや見た目が非現実的すぎるからだと思っていたが、それに加えてカット割が細かくて、カメラが引くといつも部屋の天井まで映っていて、映像の切り取り方がまるでマンガのコマみたいなのだ。
  • 事故現場を2人で検証する戸田さんと大野。私もできるものなら密室に2人でいたい。殺人現場だっていい。
  • 「じゃあ事故ってことですか」「○○さんを疑ってるんですか」と核心を突くと、いつも「そうは言っていません」と返す大野。だいたいそう思っているけど、口には出さない。これを応用して、なにをなんとかできないだろうか。

私「榎本さん、私と結婚してくれませんか」
榎本「それはできません」
私「榎本さんは一生だれとも結婚しないんですか」
榎本「そうは言っていません」
私「榎本さんは女性とは結婚したくないんですか」
榎本「そうは言っていません」
私「私なんか女性じゃないと思ってるんですか」
榎本「そうは言っていません」
私「私なんか結婚できずに死んでいけばいいと思ってるんですか」
榎本「そうは言っていません」
私「じゃあ私と結婚してもいいじゃないですか」
私「さあさあ」
私「さあさあ」
私「さあさあ」

このドラマが終わることなく、いつまでも続けばいいのに。もう5話なんて寂しい。来週も見る。