私はいつも嵐に聞こえないのをいいことに、テレビの前から好き勝手に言ってきた。罵詈雑言、失言、愛の告白、不当な批判。それでもたまに、嵐に対して「ごめん」と思うことだってある。
茶の間アワード番外編、ごめんねランキング。このアワードは、嵐の曲のなかで、聞いているとつい謝りたくなってしまう曲を並べたものである。
それでは早速、第三位から。
- 第三位 One Love (シングル)
百年先も 愛を誓うよ 君は僕のすべてさ
茶の間になって間もなくて、聞き手にまっすぐ愛を歌う男性アイドルに慣れていなかったせいか、妙に申し訳なさを感じた一曲。「白いタキシードまで着せて、そんなことまで言わせてごめん」と思った。今となっては、この歌の対象はoneどころかmore than seventy thousandということがわかったので、多少冷静に受け止められる。百年先も誓ってくれなくても、五十年先くらいまででいいと。
- 第二位 always (『Beautiful World』)
君と僕はここで出会うために きっと生まれてきた
会ったこともないアイドルにこんなことを歌われてしまう自分がつらすぎる。「♪ここで出会うために」「うん」「♪きっと」「うんうん」「♪生まれてきた」「うんうんうん」と、ついヲタ芸めいたあいづちを打つのも止めたい。
たとえ小さくても確かなものを 僕は信じてる
私もそうだ。たとえ小さくても確かな、「相手はこちらの顔も知らない」という確固たる事実をしっかりと受け止めたい。
- 第一位 愛と勇気とチェリーパイ (『ARASHI No.1〜嵐は嵐を呼ぶ〜』)
「女の子には 時々甘いもの必要みたい」という可愛い歌詞に続く、
太っても君を愛するよ
消えたい。
こんなこと歌わせてごめん。かけらも思ってないのに言わせてごめん。心の底からごめんなさい。
この曲ほど申し訳ない気持ちになる曲もない。5人とも絶対に歌詞に共感していない。
Ha- もっと食べたら
Ha- じゃない。
以前、「体重を2キロ減らして定着させる」と公約し、その約束は無事に果たしたのだが、夏に向けてさらに1.5キロ減らしてみたいと思う。20代のうちに、何度ダイエットしてもそこに戻ってしまう「魔のベスト体重」をじりじり下げていこうという、ちょっとした挑戦だ。やる気がなくなったら思い出そう、残酷に響く「Ha-(笑)」を。
こうやって「ごめんね」と思いながら嵐の歌を聞くとき、自分の立場が痛々しく感じられてしまう。でも同時に、びりびりとたまらない電流も流れる。ふつうの顔じゃいられない。新しいアルバムにも、そんなびりびり曲が入っていたら、いたたまれないけどちょっと嬉しい。