黄に染まる家系図

生まれた日からずっと
夢を見ていた未来
感情は いつだって
今までの記憶 It's the first love.
AKB48/FIRST LOVE)

お正月、祖母の元を訪ねた。
紅白は口パクのアイドルばかりで残念だったと言う祖母が、こうこぼした。
「でも嵐はよかった」
昔から俗世のことには興味がないように見えたが、まさか嵐を認識していたのか、と驚くより前に、
嵐だって口パクだったんじゃ?
と突っ込みたくなる気持ちを「敬老の念、敬老の念」と押しとどめた。


なにも言えない私に、祖母は続けた。



「あの二宮っていう小さいのが可愛くて好きなんよ」。


確かめたい、自分だけに、刻まれてるDNA。

ついに私は確かめてしまった。
おばあちゃん、私も。あの二宮ってどう見ても小さいし、どう見ても可愛いし、どうしたって好きだと思う。この理屈じゃない気持ち、生まれつき刻まれていたんじゃしょうがない。
今回の帰省で「結婚は」と聞かれて「すみません」と答える駄目な孫の様式美みたいな会話をしてきたが、これからは正直に「実は二宮と結婚したいんよ」と言えば、きっとおばあちゃんも諦めて認めてくれるだろう。