ワイハのシーアラ partIII:NHK・15年目の告白

NHKで放送された「15年目の告白〜LIVE&DOCUMENT〜」を見た。そのサブタイトルにふさわしく、ライブ本編と裏側に密着した傑作である。

  • ハワイでは、とにかく過去を振り返り、「実はあの時」というエピソードばかり求められていたが、そんなことより女の趣味でも教えてほしい。
  • 20周年も颯爽と過ぎ去って、25周年でまた大騒ぎしてほしい。そのときの新曲には絶対に「四半世紀」「a quarter of a century!!」というサクラップが入ることだろう。
  • ビキニ姿のファンがすばらしい。
  • Jが語る「ハワイは一瞬みんなが立ち寄った場所。旅の途中。だからヘリなんですよ」。その一言で、どんなにヘリコプターが特別なものに見えただろう。脱退卒業ケガ病気、そのどれでもないところで、こんな素敵なストーリーを作ってファンに提示してくれる。それこそが真の「演出係」の役割なのだろう。
  • 「コンサートの演出ってやりたいと思わないですか?」というJの質問に、固まる3人、ビールから口を離さない二宮。沈黙を破って、皆がえー、えへへへと笑うと、身体を後ろにそらす二宮。「俺は返事しないよ」のサインである。以後、二宮は反応しにくい発言が出るたび後ろにのけぞり、画面の中で小さくなるのだった。ずるいぞ二宮。
  • Jの直球の質問に、なんとか返す櫻井。いつもこういうところで口火を切るのが本当に偉いと思う。
  • Jは「やりたいのか、やりたくないのか」を聞きたかったのだと思う。しかし4人は、きっと言えない。だから「俺たちがやってもJのようにはいかないし」という理由に逃げるしかない。その核心に触れない感じがもどかしかった。
  • 「一日も長くこの夢が覚めないように」と櫻井。もし目覚めてしまいそうになったら、7万人超で全力で寝かしつける。
  • 二宮の腰問題2014。この撮影を許すと思わなかった。Jと大野の「スライドアップ」の決断はもちろんだが、それ以上に私はファンに感動した。当時のコンサートレポでは、皆が「二宮、がんばったね」「ニノがああだったけど、その姿を本人は見せたくないんだろうな」「うまくかばってあげるメンバーがかっこよかった」と、一様に二宮の不調に気がつきながらも、気づかないふりをしてあげていた。本人がおそらく見ないネットでも、腰の「こ」の字も書かないで、二宮の意地を守ってくれていたのだ。茶の間としては「多分腰かな」と思いながら、今回の映像でそれを確認し、皆の口の堅さに驚いた。それでいてフォローするメンバーの優しさはしっかり見ていて、茶の間にもそれを教えてくれる。その温かさ。
  • Jか櫻井が首謀者となって、今の生活も仕事も全て投げ出して「下克上」しようと話し合った2003年頃。下克上という気持ちはわかるけど全然正しくない言葉遣いや、全部投げ出すというその発想に青臭い若さを感じる。同時に、その青さを大人のいぶし銀で封じ込めた大野に感心する。
  • 腰の痛みをこらえた二宮の必死のあおり→GUTS!!→カンドー!!→始まったら、そんなちまちま可愛い振りかいとずっこける。
  • 土砂降りのP・A・R・Aがかっこよすぎる。最後の決めポーズでモーゼのように雨が二つに分断されて道ができそう。
  • 「2006年頃から正直辞めようと思ったの」と大野。このやろー。あと50年くらい経ってから言え。
  • 「海外とか放浪したかった」って、30歳でプライベートでニューヨークに行ってようやく「英語勉強しようかって思うくらい楽しかった」とか言ってたくせに、二宮にラジオで「大野さんがあんなに海外に興味示してたの初めて」とか言われてたくせに、なにが海外回りたいだ。2011年になってもJAL機内誌でなお「世界を放浪したい」と言ってるくせに、それくらいあなたにとって不断の夢であるくせに、なに辞めたい話に変換してるんだ。あなたはいつもそうやって同じことを思い続けてるだけじゃないか。いや行きたくても行けなかったのか。滅私奉公の20年。許す。
  • 私がこんなにヒステリックに言いつのるのは、「そうだと思ってた」「わかってたよ」と受け止める大野ファンとは違って、なにも知らずに辞めたがっていたあなたにしっかり釣られて、しっかりかっこいいと思ってしまっていた自分が悲しいからだ。楽しかったのは私だけなのか、なによバカという気持ちだ。二人きりで俺も楽しいよと言ってくれるまで許さない。
  • 次の一手ですな」「いいですな、次の一手。その一手、ここにあるから早く取りに来たら。連休中はずっと家にいるから。

初めての国立のメイキングを見たようなワクワクを思い出させてくれたNHK、ありがとう。