彼女の気持ち

いつもシックな装いがすてきだと思っていた後輩が、バッグに嵐のキーホルダーをつけてきた。

帰る間際に聞こえたスマホの着信音が嵐だった。

それにいちいちドギマギしていたのは、きっと私だけではないだろう。すぐに気がついたくせに平静を装っていた人が、あと何人かいるに違いない。

嵐のマークや音楽を知らない人にしてみれば、いつもと変わらない姿なのだが、知っている者にとっては、いきなりのカミングアウトだ。驚かされたが、気持ちはわかる気がする。

今このときを逃したら、キーホルダーも音楽も、昔いたグループのものになってしまう。現在進行形で活動しているグループのファンでいられることを楽しみたいのではないか。

 

 

twitterの嵐リスニングパーティーを見て、二宮のあまりに善良なツイートに驚かされた。「早く嵐の声で聴きたかった」とか「ハーモニー嵐!イケてます!」とか「かっこいいなあ嵐」とか、こんなにグループの音楽をまっすぐ愛し、てらいもなく表現するとは。やはり相葉の異常なまでに素直であろうとする心が、まわりによい影響を与えてきたのだろうか。

このグループが成功したのは、5人の才能はもとより、たんに5人が

とてもよい人だったから(相葉のおかげで)

なのではないかと思うようになってきた。

これは凡人にも希望のもてる話だ。心がけによって、人はこんなにも輝けるのなら。

 

 

彼らが新しい幕を開けようとしている今、私も新たな挑戦をすることにした。

辞めたいと言う大野に辛辣な意見を書いたのは、実は自分も辞めたい・でも辞められないとくり返していたからだ。仕事は辞めないが、やり方を大幅に変える。これまでは偉大な先達たちの教えを組み合わせてやってきたが、脱皮する。"karakiri  メソッド”と言うべき方法を編み出し、その方法論にのっとり、業界のトップになる。そして後進を育てる。

不惑の40歳になる頃にはメソッドが完成する予定だ。残り20年余りの職業人生をその洗練に捧げる。

そして松本潤冠番組「MJプロフェッショナル−−こだわりがすべて」にゲスト出演する。

「私が37歳のとき、嵐が休止してしまって……」

あ、タメなんですよね

「はい。で、とても悲しかったんですけど、そこで決意したんです。自分の身の回りを嵐的な空間にしようって。皆が愛せる組織作りをして、しかもトップになろうって。おかげで今があります」

「あ、嵐のニューアルバム、最高です」

まっすぐな夢を持ったっていい。